AIで業務改善、何から始めればいいか分からない中小企業へ
AIで業務改善したいが何から始めればいいか分からない。ツール選びの前に、自分が何をしたいかを言葉にすることが先だという話を、実例から整理します。
- AIで業務改善したいとき、ツールから選ぶと迷子になります。先に決めるべきは「何をしたいか」です。
- コードが書けなくても、やりたいことが明確なら、AIはそれを形にする道具になります。順番が逆だと動きません。
- 「AI活用」を目的にすると続きません。「人手が足りないまま、どう回すか」を主語にすると、始める場所が見えてきます。
「AIで何かやりたい」が、一番つまずく
中小企業の経営者から、「AIで業務改善したいんですが、何から始めればいいか」とよく聞かれます。
気持ちはよく分かります。周りが「AI、AI」と言っていて、乗り遅れている気がする。ただ、この「AIで何かやりたい」という入り方が、実は一番つまずきやすいのです。
理由はシンプルで、AIはツールであって、目的ではないからです。ツールから入ると、「どのAIがいいか」「どのツールを契約するか」という比較で止まってしまう。そして、契約しただけで使われずに終わる、ということが起きます。
順番は、「何をしたいか」が先
僕はコードが書けません。それでも、AIにコードを書いてもらいながら、教育現場で使うアプリを作っています。生徒が自分の「好きな動詞」を見つけるワークを、先生と生徒が一緒に使えるツールにする。そういうものです。
これができたのは、自分が何を作りたいかが明確にあったからです。コードは書けないけれど、「こういう体験を届けたい」という設計思想がある。AIは、その明確な設計を形にする道具として、とても頼りになった。
逆に言うと、作りたいものが曖昧なままAIに向かっても、何も出てきません。AIは、あなたの中にある「やりたいこと」を増幅する道具です。増幅する元がなければ、ゼロのままです。だから、順番は「何をしたいか」が先、「どのツールか」は後です。
主語を「AI活用」から「人手不足」に変える
もう一つ、始める場所を見つけるコツがあります。主語を変えることです。
「AIを活用する」を主語にすると、手段の話から抜け出せません。そうではなく、「人が足りないまま、どう回すか」を主語にする。すると、具体的な場所が見えてきます。
たとえば、毎月同じ形式の書類作成に時間がかかっている。問い合わせ対応で担当者が手いっぱい。議事録や報告書の下書きに夜を使っている。こうした「人手が足りていない具体的な場面」を一つ挙げる。そこがAIの出番です。全社的な「AI導入」ではなく、一つの困りごとから始める。それが、一番現実的な入口だと思っています。
最初の一歩は、契約ではなく言語化
だから、AIで業務改善を始める最初の一歩は、ツールの契約ではありません。「うちの、どの作業の、何がしんどいのか」を言葉にすることです。
これは一人でもできますが、意外と難しい。毎日やっている作業ほど、「これが非効率だ」と気づきにくいからです。外の人間に「その作業、なぜ人がやっているんですか」と問い返してもらうと、当たり前だと思っていた工程に、AIで置き換えられる部分が見えてきたりします。
WGYWでは、財務分析など自分の専門外の領域をAIで補っています。これは隠すことではなく、方法論として開示すべきだと考えています。どこを人がやり、どこをAIに任せるか。その線引きを一緒に考えるところから、業務改善は始まります。
よくある質問
うちの規模でも、AIで業務改善できますか?
規模は関係ありません。むしろ小さい会社の方が、一つの作業を変えるだけで効果が見えやすいです。全社導入ではなく、一つの困りごとから始めるのがおすすめです。
コードやITに詳しくないのですが大丈夫ですか?
大丈夫です。必要なのは技術知識より、「何をしたいか」を言葉にできることです。技術はAIが補います。
「うちの、どの作業がしんどいか」を一つ挙げてもらえれば十分です。そこから、AIで変えられる部分を一緒に整理します。