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事業承継、何から相談すればいいか分からない人へ

事業承継は「何から相談すればいいか分からない」から始まることが多い。株や税の前に、まず言葉にすべき問いを、二代目社長の視点で整理します。

この記事の要点
  • 事業承継の相談は、株・税・登記のような「答えのある問い」から入りがちですが、その手前に「答えの出ていない問い」が残っていることが多い。
  • 「何から相談すればいいか分からない」は、準備不足ではなく、課題がまだ言葉になっていないサインです。
  • 最初にやるべきは専門家探しではなく、自分が何に引っかかっているのかを、外の人間に向かって言葉にすることかもしれません。

「何から相談すればいいか分からない」は、普通のこと

事業承継について調べ始めると、情報はたくさん出てきます。株式の移転、相続税、事業承継税制、M&A。どれも重要で、専門家がいる領域です。

ただ、二代目・後継者の方と話していると、最初に出てくるのはこういう言葉です。「そもそも、何から手をつければいいのか分からない」。

これは準備が足りないのではなく、扱っている問いの種類が違うのだと思っています。株や税は、答えのある問いです。専門家に聞けば返ってくる。でも「自分はこの会社をどうしたいのか」は、誰も答えを持っていない。この二つが、頭の中で混ざったまま止まっている状態が「何から相談すればいいか分からない」なのではないでしょうか。

答えのある問いと、答えのない問いを分ける

整理の第一歩は、この二つを分けることだと思っています。

答えのある問いは、専門家に渡せます。税理士、司法書士、M&Aアドバイザー。課題が言葉になっていれば、適切な相手に渡すだけです。

問題は、もう一方です。「先代のやり方を続けるべきか」「自分の代で何を変えるのか」「そもそも継ぐことが正解なのか」。これらは、答えを持っている人がいない。持っているとしたら、それは自分の中だけです。

そして厄介なことに、この「答えのない問い」が整理されないまま専門家に相談すると、話が噛み合いません。税の最適化を提案されても、「そもそも自分がどうしたいか」が決まっていないと、判断できない。順番が逆になっているのです。

まず、自分の棚を開ける

自分のことを説明しようとすると、言葉はすらすら出てきます。でも、話しながらもう一人の自分が「それ、いつのバージョン?」と聞いてくる。会社についても、同じことが起きます。「うちはこういう会社です」という定型文で語っているうちに、実際の棚に何があって何がないのかが、見えなくなっている。

事業承継は、この棚を開ける最大のタイミングです。会社に何があって、何がないのか。先代が積み上げたもの、時代に合わなくなったもの、まだ誰も気づいていない強み。これを言葉にしないまま制度の話に進むと、器だけ引き継いで中身が空、ということになりかねません。

一人で棚卸しをすると、途中で止まる

棚卸しは、一人でもできます。ノートを開いて、会社にあるもの・ないものを書き出す。ただ、一人だと途中で思考が止まることが多い。

話すという行為には、逃げ場がありません。「それは結局、何が問題なんでしょう」と聞かれて、詰まる瞬間がある。詰まった時点で、「あれ、自分でもよく分かっていなかったかもしれない」という気づきが起きます。文章で整理するより、話しながら問いを返してもらう方が、ずっと早く、深くなる。

事業承継の相談で最初に必要なのは、答えを持っている専門家ではなく、答えの出ていない問いを一緒に言葉にしてくれる相手かもしれません。

よくある質問

何も決まっていない段階でも相談できますか?

むしろその段階のための時間です。「何から考えればいいか分からない」で十分です。答えを整理してから来る必要はありません。

その領域は専門家(税理士・司法書士など)の担当です。WGYWの壁打ちは、その手前の「自分はこの会社をどうしたいのか」を言葉にする支援をします。必要に応じて、どの専門家に何を聞くべきかの整理もできます。

継ぐかどうか迷っている段階でも大丈夫ですか?

継ぐ・継がないを含めて、決める前の思考を整理する時間として使ってもらえます。

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