コンサルタントがAIを使っていることを、なぜ開示するのか
WGYWがコンサルティングでAIを使っていることを開示する理由。隠す前提を疑い、開示を方法論として位置づける考え方を整理します。
- WGYWは、コンサルティングでAIを使っていることを開示しています。隠す方が普通とされる中で、なぜ開示するのか。
- 理由は、開示が信頼のコストを下げるからです。「どこを人がやり、どこをAIに任せているか」が見えると、判断の質を確認できる。
- AIで「置き換える」のではなく、AIで「専門外を補い、対話の質に時間を回す」。この使い方だからこそ、開示できます。
「AIを使っている」は、隠すことなのか
コンサルタントがAIを使っていると聞くと、少し身構える人がいるかもしれません。「じゃあ、その提案はAIが作ったのか」「自分で考えていないのか」と。
だから多くの場合、AIの使用は表に出されません。人が全部やったように見せる方が、安心してもらえる気がするからです。
でも、WGYWは開示する側を選んでいます。財務分析など自分の専門外の領域をAIで補っていることを、隠さず伝える。これは隠すことではなく、方法論として開示すべきことだと考えているからです。今日は、その理由を書きます。
「AIで書く」と「AIと書く」は、別の話
まず、前提を一つ。AIの使い方には、大きく二つあります。
一つは、「AIで書く」。丸ごとAIに任せて、出てきたものをそのまま出す使い方です。もう一つは、「AIと書く」。自分の考えや設計が先にあって、それを形にする過程でAIを使う使い方です。この二つは、全く別の話です。
コードが書けなくても、「こういうものを作りたい」という設計思想が明確にあれば、AIはそれを形にする道具になります。逆に、作りたいものが曖昧なままAIに丸投げすると、それらしいけれど中身のないものが出てくる。WGYWがやっているのは後者の「AIと書く」であって、判断や方向づけは人がやっています。だから、使っていることを開示できるのです。
開示は、信頼のコストを下げる
なぜ開示するか。一番の理由は、開示が信頼のコストを下げるからです。
「人が全部やりました」という見せ方は、一見安心に見えて、実は中身がブラックボックスです。どこにどれだけ時間をかけ、どの部分の精度が高くて、どこが補助的なのかが分からない。
逆に、「財務分析はAIで補い、経営者との対話の設計は人がやっています」と開示すると、依頼する側は判断の質を確認できます。どこを信頼していいか、どこは自分でも確認すべきかが見える。隠すより開示する方が、長期的には信頼されると思っています。これは、地方では「盛る」より「正直に見せる」方が強い、という感覚とも重なります。
AIで「置き換える」のではなく、「時間を回す」
WGYWがAIを使うのは、人を置き換えるためではありません。限られた時間の中で、経営者と向き合う対話の質を上げるためです。
財務分析のように、時間はかかるが答えの出る領域はAIで補う。その分空いた時間を、答えの出ていない問い——「この会社をどうしたいのか」を一緒に言葉にする対話——に回す。ここは人にしかできない部分だと思っています。AIに任せるのは「答えのある作業」、人がやるのは「問いを立てる対話」。この線引きがあるから、AIを使っていることを堂々と言えます。
開示それ自体が、これからの前提になる
正直に書くと、数年後には「AIを使っているかどうか」を問うこと自体が、古くなるかもしれません。誰もが使う前提になれば、隠すも開示するもなくなる。
ただ、今はまだ過渡期です。だからこそ、どう使っているかを開示することに意味がある。使っていることではなく、どこを人がやり、どこをAIに任せ、その線引きをなぜそう引いたか。ここを見せることが、これからのコンサルタントの誠実さになっていく気がしています。
WGYWがAIの使い方を開示しているのは、対策でも演出でもありません。信頼できる相手かどうかを、依頼する側が判断できる材料を、先に渡しておきたいからです。